検証ダビスタ64 〜とにかくいろいろ検証してみよう〜   Last Update 2005/08/20
はじめに
 元々は以前日記に書いたようにTSLの検証が目的だったんですけど、どうせやるならまとめてやってしまえということで、いろいろ細かいデータを集め、さらに過去集めてきたデータも利用するなどして、手元のデータでできることほぼ全てをこのページにまとめてみました。

 あらかじめ断っておきますが、このページの内容の多くはあくまで僕個人の憶測妄想であり、事実に反している可能性が大いにあります。この検証結果を信じる、信じないかは閲覧者の自由ですし、また、リンク・転載等も自由ですが、それらが原因で万一トラブルないし損害が発生したとしても、僕は一切責任を負えませんのでご了承ください。(例えば、このページの内容をヒントにして取り組んだ配合がさっぱりで無駄な時間を費やしてしまったり、もしくは「あんな内容を信じるなんてバッカじゃねぇの」などといじめられたりなどしても僕は知りません(笑)。)

実験内容
 ここからしばらく実験の内容についてうだうだと説明しますので、検証結果だけを知りたい人は一気にここまで飛んでください。まずは実験に関する注意点から説明します。
数え間違い等のミスの可能性
 僕は基本的に紙に手書きという原始的な作業でデータを取っています。もちろん集まったデータを集計するのも手作業です。(そして、そこから必要に応じて結果をまとめるためにエクセルを用います。)もちろんミスをしないように努めていますが、当然ながらどこかで細かい数え間違いをしている可能性は十分考えられます。ただし、100セット単位のデータにおいてはそれらの影響はほぼ無視して問題ないでしょう。

 ちなみにやはりデータ取りを手作業でやるのは面倒です。ただし、データ取りは今回以外にも昔からよくやっており、それらの際もこの原始的な方法でしたが、そこまで苦労した記憶はありません。高々100〜200セット程度のデータということで、手作業でも十分こなせる範囲だったからでしょう。しかし、データ数が増えれば増えるほどこのような原始的な手法では、特にデータ集計が面倒になることを今回痛感させられました。

 今回のデータ集計の作業の直後に、今後のデータ作成(早速大逃げ配合でデータを取る予定)では紙に書くと同時に最初からエクセルに入力しておこうと強く誓いました。今回の検証で得た大きな教訓の一つでした。

STチェック方法
 デビューOKコメント以降のST放牧耐えのチェックに関しては、SP調教は基本的に行わず、8月以降に遠征で馬体を削り、調子変化VTRを用いて木曜ダ馬なりと週送りで体調を調整する、というかなり面倒ですが確実な方法を採っています。(晩成の弱い馬がかなり早くSPの成長の壁に到達していたのに、能力限界を超える放牧数になってようやく気付く、という経験をずいぶん前にしたため、その体験以降は面倒ですがこの方法を用いて測定しています。)したがって、スピード調教のフローによる放牧耐え数の測定ミスはおそらくしていないと思います。
固定うんぬん
 データ作成用生産をするにあたって、今回はいわゆる固定も念のため意識しました。まずは4月or5月に8頭全て同一VTRを用いて種付けし、受胎状態で7月にCPにデータを自動保存後、3月or4月まで飛ばして本体に保存し、ここからデータ作成用生産開始します。以降だいたい10〜20セットごとに先ほどCPに保存した受胎7月に戻って、競馬場等で乱数を変えて3月にセーブという作業を繰り返します。そして、生産数が50セットに到達すると再び種付けをやり直します。今度は前回とは違う月(例えば前回が5月なら今回は4月)に種付けし、また、種付け時のVTRも前回の種付け時とは異なるVTRを採用します。ただし、前回と同じく今回も種付け時に使用するVTRを8頭全て統一します。他にも気分次第で産駒が誕生する直前に競馬場に行ったり、電源とリセットを使い分けたりと、固定に関しては可能な限り工夫したつもりです。
実験の前に
 まず実験に使用することにしたのは以下の同血統の異なる2頭の牝馬です。この2頭をそれぞれ4頭ずつにして実験しました。ちなみにこの2頭のBCパスは以前作成したSP別繁殖BCパスに載っています。

・血統
マルゼンスキー×Danzig×ミルラインレート

・スカーレット
能力:67−3.50or3.625(補正後4.25or4.375)
その他の特徴:賢い、丈夫、根性コメントなし

・プシュケー
能力:63−2.50or2.625(補正後3.25or3.375)
その他の特徴:気性難、虚弱体質、根性

 この2頭を用いて実験することにした理由はそこそこ能力が高くかつ適度に差があるという点に加えて、競走馬としてのサブパラが正反対だったというところにもあります。牝馬のサブパラは遺伝しないというのは旧作からの常識ですが(SF時代は気性が繁殖能力のSTに影響しましたが)、それ以前の作品とルーチンが大きく異なっていると思われる『64』においてもこの常識が通用するとは限りません。したがって、念のための確認という意味も込めて調べてみましたが、少なくとも決定的と呼べるほどの差は確認できませんでした。このことについてはこのページでは触れませんが、今回の実験結果についての詳細データとして別ページに一応用意しておきました。(かなり見にくいですけど・・・。)

 この2頭を用いてどんな実験をするのかについてですが、TSLの検証が第一目的ということですから、実績Bから実績Cへと検証していって、繁殖能力差の影響がどのように推移していくのかを調べていくことを意識しました。

 配合条件としてはSTの検証ということでSTゼルを外すことをまず考えました。STゼルが外れない配合は2耐え以上が非常に出づらいため、検証には向かないと判断したからです。続いて条件として考えたのは成長型が晩成であることです。僕は過去何回かこの『64』においてSTのデータを取ってきましたが、4月にデビューOKされる馬が多い普通以前の成長型では、2〜3耐え以上の産駒において体調崩しという面倒な作業を実践することが多くなり、効率が悪くストレスが溜まるため、この状況を回避したかったのです。

 しかし、この両条件を満たし、かつTSLの検証に適した配合はなかなかありませんでした。その大きな原因はこの実験に用いることにした上記の牝馬の血統にあります。既にノーザンダンサー系2代重ねであるため、さらにノーザンダンサー系種牡馬を種付けすると、旧作では駄馬しか産まれないようになっていた、いわゆる3代同系配合となってしまうからです。

 『64』でもこのシステムが継続されているのかどうかは分かりませんが、今回の実験の目的はまずはTSLの検証であったため、検証の障害になる可能性のある配合は避けることにしました。これによってニジンスキーでSTゼルを外す配合がほぼ使えなくなります。実績Bについては、ワイルドリスクのクロスでSTゼルを外すことが可能でしかも晩成型というサッカーボーイ、ヤマニンゼファーという2つの実験配合候補を見つけ出したのですが、結局やむを得ず実績Cの検証には成長型が普通のキャロルハウスを用いることにしました。キャロルハウスが嫌だったのは成長型のほかにも安定Cということもありました。能力のばらつきが激しいであろう安定Cの場合、100セットくらいのデータでは傾向がはっきり出ない可能性があるのではという不安材料があったからです。

実験開始
 いよいよ実験を開始すると、やはりその不安は的中しました。そこまでは順調に進んでいた(つもりの)検証がキャロルハウスではかなり微妙な結果となってしまいました。ここでさらに継続してキャロルハウスに取り組むべきか迷ったのですが、既に母のサブパラに関してははっきり分かるほどの影響はなさそうという結果が得られていましたので、現在使用している2頭の牝馬にこだわる必要はなくなっており、ここからは別の血統の牝馬を用意して別配合で実験することにしました。まあ、4/1デビューのオンパレードから逃げたかったのが一番の理由でしたけど(笑)。そして、手元にある繁殖牝馬のうち、同血統でそこそこ高能力かつ能力差のある牝馬という条件を満たすものとして今度は次の2頭を選びました。

・血統
クリエイター×タイトスポット×マルゼンスキー×Danzig×ミルキーキャット

・ティーネリ
能力:59−3.50or3.625(補正後4.125or4.25)

・フィロソフォス
能力:68−2.25or2.375(補正後2.875or3.00)

 この牝馬なら3代重ねの制約もなくミルリーフなどSTUP要素に恵まれているためSTゼルに悩まされることもありませんし、SP・ST両方に差をつけたこれまでの実験と違ってST型、SP型に分かれてどうなるのかの検証にもなります。

 もちろん前回までの実験の続きということで対象種牡馬は実績Cです。これに晩成かつSTゼルが外れるという条件を満たす配合はペンタイアのみしか見つかりませんでしたが、安定Bということでデータも取りやすそうですし、最終実験はこの配合に決定しました。

実験配合のまとめ
 したがって、今回実験したのは以下の4配合になります。

■実験配合1 サッカーボーイ×マルゼンスキー×Danzig×ミルラインレート
・配合条件:実績B ニックス 1800〜2600m
・配合要素:ノーザンダンサー4×4×4、ニアークティック5×5×5、ワイルドリスク5×5
・限界:68−3.50
・使用した牝馬:以下の2頭×4
 スカーレット:67−3.50or3.625(補正後4.25or4.375)
 プシュケー:63−2.50or2.625(補正後3.25or3.375)
・取得したデータ数:100セット

 実績Bで距離適性がやや長め。とりあえずここでどういう結果が出るのかに注目しました。ただし、実はニックスの存在をすっかり忘れていて50セットやってからようやくその事実に気付きました(笑)。まあ、実績B(ニックス有)→実績B(ニックス無)と進めていくのも悪くないだろうと思い直して実験は続行しましたが。

■実験配合2 ヤマニンゼファー×マルゼンスキー×Danzig×ミルラインレート
・配合条件:実績B 非ニックス 1200〜1800m
・配合要素:ワイルドリスク5×5
・限界:72−3.625
・使用した牝馬:実験配合1と同じ
・取得したデータ数:100セット

 フォティテンと同じ距離適性ということでここでの結果は最強馬生産にも大いに参考になるはず。

■実験配合3 キャロルハウス×マルゼンスキー×Danzig×ミルラインレート
・配合条件:実績C 非ニックス 1800〜2400m
・配合要素 ワイルドリスク5×5、プリンスキロ5×5
・限界:68−3.875
・使用した牝馬:実験配合1と同じ
・取得したデータ数:100セット

 上述したように最初の繁殖の血統では実績Cで検証できそうなのはこの配合のみのためやむを得ずでした。結局安定Cということもあってか今回の実験配合の中でもっとも中途半端な結果となり、結局この配合ではっきり分かったことはSTの検証に普通以前の成長型の種牡馬は向かないということだけでした(笑)。

■実験配合4 ペンタイア×クリエイター×タイトスポット×マルゼンスキー×Danzig×ミルキーキャット
・配合条件:実績C 非ニックス 1800〜2600m
・配合要素:ミルリーフ3×3、ネヴァーベンド4×4、ナスルーラ5×5、プリンスキロ5×5
・限界:74−3.625
・使用した牝馬:以下の2頭×4
 ティーネリ:59−3.50or3.625(補正後4.125or4.25)
 フィロソフォス:68−2.25or2.375(補正後2.875or3.00)
・取得したデータ数:200セット

 この配合から別牝馬での生産に移行しました。牝馬をSP型とST型に分けることでどのような結果が出るのか、そして、果たしてTSLは? 一応今回の検証の最終的な結論は主にこの配合で出しました。

結果・考察1 〜TSLは果たして?〜
 まずは今回の実験の第一目的であったTSLについて考察してみます。
SP
 まずはSPについて。効率のため今回はSPに関しては詳しいデータを取っていなかったのですが、とりあえず今回の考察の導入として最初に触れておきます。大まかにSPのデータを取っていたヤマニンゼファーとペンタイアにおいては次のような結果が得られました。(取っていたデータは前者は晩成SPのみ、後者は遅普通SPと晩成SPのみです。ヤマニンゼファーでの実験開始直後にたまたま晩成SPが出現したのをきっかけに、晩成SPのデータを取リ始めました。ペンタイアは最終実験のつもりだったのでより徹底的にということで遅普通SPまで調べてみることにしました。)

・ヤマニンゼファー
 母:67−4.25・・・晩成SP5頭
 母:63−3.25・・・晩成SP0頭

・ペンタイア
 母:68−2.875・・・晩成SP5頭、遅普通SP13頭
 母:59−4.125・・・晩成SP0頭、遅普通SP13頭

※注
晩成SP・遅普通SPとはそれぞれ2月までにSPコメントが発生する晩成型・遅普通型の馬のことです。

 遅普通では差が出ていませんが、晩成SPに関しては低SP繁殖側からは1頭も確認できませんでした。(個人的にはSPゼルの外れていないヤマニンゼファーの方で、これだけ晩成SPが出たことの方が驚きでした。ただし、全て6/3or6/4デビューの推定KSP50後半でしたが・・・。)もちろん、さすがにこれはデータが少なすぎて偶然の可能性も否定できませんが、とりあえずこういう結果が出たということをまず書いておきます。

ST
 さて、いよいよ今回詳細なデータを取った本実験のメインテーマでもあるSTの結果を見てみましょう。まず僕が今回実験として取り組んだ4つの配合におけるSTのデータをまとめた表1と図1を見てください。

 ご覧の通り、いずれにおいてもややぶれがあるものの基本的には母のSTが高いほどSTの乗りがよくなるという非常に分かりやすい結果が出ています。最もデータ数が豊富な実績Cのペンタイアでも
この傾向は変わっていませんし、むしろ最も顕著にこの傾向が現れています。ペンタイアにおける繁殖能力は、旧作におけるTSLの考え方に従うと、いくら距離適性が長めとはいえ実績Cの母としては十分な能力でしょうから、もし旧作的なTSLが存在するならこのようなことは起こりえないはずです。

結論
 STに関して上のような実験結果が確認されたことを考えると、やはり最初のSPも単なる偶然ではない可能性が高く、単純に繁殖牝馬のSP差が出たと考えてもいいのではないでしょうか。したがって、今回の実験結果に加えて、『今日ダビ64』のインタビューにおいて薗部氏が

「これまであった生産ルーチンを初めて壊した」
「とくにスピードとスタミナに関してはガラッと」

とおっしゃられていたことを踏まえると、

“『64』では旧作的なTSLは存在しない”

と考えるのが無難なのではないのかと僕は思います。ただし、あくまで「旧作的な」TSLはおそらく存在しないとしか今回の結果からは言えませんので、『64』でも何らかの形でTSLのようなものが存在している可能性はありえますが。

 この僕の結論に対して、「データ不足による誤差だ」 「こんな見事でもない低ニトロ配合での実験結果には意味がない」などの反論がある人がもちろんいるでしょうし、僕自身が実験において初歩的なミスをしている可能性も全くゼロとは言えません。したがって、今回の僕の検証に納得できない方は、日記等で反応してくださるか、もしくは直接僕にメールしていただけると助かります。その際に、特にどこに問題・疑問等を感じるのかを伝えていただけるとなお助かります。

まだまだ続きます
 ということで、肝心の問題についてはあっさり結論を出してしまいましたが、このSTに関する実験結果において他に注目すべきことをいくつか見ていきましょう。
安定Bと安定C
 まずは安定Bと安定Cの違いについて。安定Cのデータはキャロルハウスしかないのですが(実験の説明の際にも書いたようにデータのぶれが大きいと思われる安定Cは、TSLの有無の検証を第一目的とした今回の実験には向かないと判断し、意図的に避けたのです)、明らかにその他の配合と比べて能力分布が幅広くなっています。この傾向は図1のグラフにおいて、安定Cが0耐え→1耐え→2耐え→3耐えとなだからなカーブでダウンしていくのに対し、安定Bはどこかしらで急激な傾斜でダウンしていくところにもはっきりと現れています。

 最強クラスにおける爆発率が安定C>安定Bとなりやすいのは、安定Bと安定Cが爆発領域においても今回と似たような関係を保っているためだと思われます。

爆発領域
 続いて、3耐え、つまり今回の配合条件での爆発領域(もちろん、あくまで今回の配合条件での爆発領域であり、最強馬レベルにはほど遠い領域ではありますが)について注目します。表1および図1を見れば明らかなように、繁殖能力とは逆の結果も一部出るなど、繁殖能力による差が小さくなっています。単純にデータ不足による誤差であると言えばそれまでなのですが、以前から繁殖能力と爆発力は関係ないとしばしば言われていることを考慮に入れると、単純にそれだけで片付けるわけにはいきません。しかし、このようになる理由は、「爆発領域に“壁”があるため」などいろいろ妄想こそできますが、根拠の提示がほとんど不可能であるため、妄想の域を出ることができません。したがって、ここでは逆に唯一爆発領域で明確な差が出たサッカーボーイ産駒について、その理由を考えてみることにします。

 この配合は実績Bと長めの距離適性に加えてニックス効果もあってか、他の配合と比べて2耐え率も傑出した結果が出ていることに注目しましょう。ということは、この配合条件ではまだこの領域が爆発領域ではない、それゆえに繁殖能力で差が出ていると考えられるのではないでしょうか。まあ、結局これも妄想でしかないのですが・・・(苦笑)。

結果・考察2 〜その他いろいろ〜
 今回の実験で得られた結果、および過去のデータ作成で集めた結果を片っ端からまとめてみました。ただし、STのデータ作成などのような異なる目的の過程のついでに得たデータばかりのため、統一性がなく曖昧なデータが多いです。
根性
 今回の実験で得られた結果を今回の実験以前にとっていた別配合の根性についての結果とあわせて表2にまとめてみました。

※注1
全て非面白配合です。
※注2
根性コメントは1〜2月にコメントされたもののみ集計しています。
※注3
かつてアサスキャについては200セット分のデータを取っていたはずなのですが、当時データ作成用に使用していた自作のチェックシートのラスト1枚が見つからず合計192セット(1536頭)分のデータしか利用できず、アサスキャのデータ数が中途半端になってしまいました。

 底力Bの場合ははっきりと底力UPインブリートの効果が出ているんですけど、底力Aの場合はインブリート効果が数字上はほとんどといっていいほど現れていません。しかし、これはあくまで数字上の話で、いくらなんでも底力Aでは底力UPインブリ効果なしなどというような仕様になっているとは考えづらく、STでいうところの2耐え3耐え率などのような、より高いレベルの根性出現率に関しては差が出てくるのは間違いないでしょう。とは言え、やはり底力Aにおいてのみコメント率が変化しないというのは注目すべき現象でしょう。そこでその仕組みを以下のように考えてみました。

 まず底力Aにおける根性コメント率が約50%であることから根性能力分布の概観は次の図2のようになっていることが予想されます(あくまで予想図です)。

 この場合、もしインブリート効果によって能力分布が全体的に高能力側へシフトするのであれば、図3のようなグラフになるはずですから、底力UPインブリートのある配合の方が根性コメント率は高くなるはずです。

 したがって、今回確認したように底力Bにおいてはコメント率が上昇しているものの、底力Aにおいてはコメント率がほとんど変化していない、という現象から、底力UPインブリの効果は図3のように産駒の能力分布を全体的に高くするのではない、ということが予想できます。しかし、肝心の実際にどんな仕組みになっているのかはほとんど調べようがありません。したがって、ここから先は完全なる憶測妄想でしかありませんが、僕は次の図4のような感じの能力分布をイメージしています(MAX付近で底力Bクロス>底力Aアウトのような細かいところは僕の勝手なイメージです)。この能力分布なら今回の結果と矛盾しません(まあ、矛盾しないように都合よく作ったイメージですので当然なのですが・・・)。

 ともかくここで一番言いたいことは、コンピュータほぼ素人の僕は、自分のイメージをグラフ化するために、2次関数と3次関数による近似式を手計算でほとんど処理してからエクセル入力するという面倒な作業の後、出来上がったグラフをお絵描きソフトで処理し直すというアホみたいなことをして、結局丸1日以上かかってしまったので、これらのグラフは何がなんでもここに載せたかったということです(笑)。

健康
 旧作からのイメージでインブリートが濃くなるほど体質が悪くなると思われがちですが、過去の僕の実験結果では大した差が出ていなかったため、今回の実験においてもこの健康とインブリートの関係を検証してみました。そして、その結果を過去のデータとあわせてまとめたのが表3です。

※注
データ数の少ないダンコジ、ダンレイは参考扱いとしました(特にダンレイ)。

 この健康についてはあくまで別の検証のついでという形によるデータ取りとなっているため、似たような条件でのデータが多く、この結果からははっきりとしたことは言えないのですが、少なくともコメントレベルではそれほど神経質になるほどの差が出ていないということは間違いないでしょう。ただし、唯一差があると呼べそうな結果が出たのは3×3のインブリが存在したペンタイアということですから、ここまで濃くなるとさすがに影響があるのかもしれません。それからついでにあまり役には立ちませんけど、この結果から健康Bと健康Cは全く正反対の分布をしていることが予想できます。

 また、能力爆発時に濃いクロスは悪影響が出やすいという可能性もあり、さすがにこれについては今回のデータだけでは何とも言えませんが、濃い目クロスのフォティアンの以前作成したデータによると、虚弱馬即捨て生産体制における能力爆発時(一回り下&1耐え以上)の丈夫率は9頭/27頭、つまり約33%だったようです。今回の実験結果から健康Bの丈夫率を約22%、虚弱率を約10%としてフォティアン能力爆発時と同じ条件を考えると、22 / (100 - 10) より約24〜25%となりますから、やはりそれほど気にする必要はないと言えそうです。(もちろん爆発時のデータ数が少なすぎるためあくまで参考にしかなりませんけど・・・。)

気性

※注
アサスキャの非父似のような気性B扱いで気性ダウン要素のない条件においては牡馬では気性難は出現しません。ハイステとか僕が取り組んだ他の配合でもそうでした。僕は旧PS版以降ダビスタから離れていたため、これらの作品ではどうなっていたのかについて自分自身では把握していませんが、どうも聞くところでは99やWIN版では気性Bの場合、気性ダウン要素がなくても気性難産駒が出ていたらしいです。確かに、僕の記憶でもSF時代はそうだったと記憶しています。ということでこの仕様は『64』からの変更点だと思われます。

 これも今回の実験結果と昔作成したデータを表4にまとめてみました。特に注目すべき点はナスルーラ5×5とナスルーラ5×5×5における気性難率にはっきりとした差が出ていないということです。この仕組みについても妄想するしかないのですが、根性の際の底力Aみたいなイメージになっているか、もしくはこういった逆効果インブリは1本以上は全て同じ扱いになるのではないのか、と僕は思っています。この表を見れば分かるようにたった1本で気性Bからの気性難出現率が0%から約35%まで跳ね上がって、気性Cの非気性難クロスにおける気性難率(約30%)を超えるほどの効果があるため後者の可能性も十分にありえそうかなぁと考えています。

最後に
 まず改めてもう一度書きますが、あくまで今回のあらゆる検証は僕が得た実験結果に基づく推測および妄想でしかありません。信じるか信じないかは各データを見て、この結果はサンプル数不足だから怪しい、もしくは、あの結果はそこそこデータ数が豊富なので信頼できそう、などといった感じで各自で判断してください。

 それからTSLについて。今回のTSLに関する僕の結論は別に僕のオリジナルでもなんでもありません。以前から64ダビ界では、『64』でも旧作と同じくTSLは存在するという考え方と、『64』ではTSLが存在ない(もしくは繁殖レベルでは到達できないほど高いレベルに存在する)という考え方の両方が存在していたのです。しかし、いずれにしてもそれらを裏付ける客観的なデータがこれまでは公の場には存在しませんでした(僕の知らない裏日記等では存在していた可能性はありますが・・・)。ということで、今回の検証はこの問題について考察できる客観的なデータを作るのが最大の目的でした。したがって、今回僕が出した「旧作的なTSLは存在しない」という結論よりも、今回の実験で作った客観的なデータ(表1&図1)の方が僕にとってはより重要なものです。ということで、このデータを見て各自いろいろと考えていただけると僕としても非常に嬉しいです。(ちなみに僕はこのデータからこのページに書いたこと以外にも、いろいろなことを妄想しています。例えば、図1は確かにかなりいい加減なグラフなんですけど、このグラフからいろいろ予想ができるんですよ。ただし、これらは完全な妄想のため、さすがにここには書けませんでしたが(笑)。)

 ちなみに、今回の検証では僕がこれまで集めてきたデータの大部分をまとめることになったわけですが、データ作成用の生産だけで軽く1万頭以上もこなしていたことが発覚しました(今回の実験500セット、ハイクリ160セット、アサスキャ200セット、ダンレイ・ダンコジ300セット、フォティアン200セット、他繁殖生産時にも数百セット)。最強馬生産を兼ねている配合が多く、またSTだけとかに限定したデータ作成が多かったとは言え、これにはかなり驚きました。改めて自分がデータ好きな変人だということを痛感させられました、かっこわらい。

参考
 今回の実験結果の詳細データおよび過去の実験結果をまとめておきました。

サッカーボーイ

ヤマニンゼファー

キャロルハウス

ペンタイア

その他(過去の実験)

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