デビューOK週と保証されるSPの関係       Last Update 2005/12/17
はじめに
 このページの多くの内容は、えむぴーさんのお話を参考に制作しました。また、このページで使用するSPに関する基本的な知識は先人達の様々な研究があって初めて成立するものです。これらの方々にまず深く感謝いたします。 

 それからあらかじめ断っておきますが、あくまで仮定に基づく憶測交じりの内容ですから、目安程度にして100%信頼はしないでくださいね。「お前のせいで最強馬を捨ててしまったじゃないか」とか言われても困ります^^;
 一応こういうのに詳しい方からの鋭い突っ込みをお待ちしていますので、何か気になった方はこちらまでお願いします(もちろん初心者の方からの質問も待ってます)。
(ただし特殊ツール等による知識をお持ちの方は間違いに気づいても突っ込みはご遠慮ください。)

基本的な考え方
 唐突ですがいきなり問題です。

<問題>
 2月2週にSPコメントを確認した6月1週デビューという馬がいる。この馬に保証される最低KSPが57であることを証明せよ。(64以前の作品限定)

<解答例>
 まず、以下の有名公式を用いると

  最低保証KSP=35+2×(4月2週〜デビューOKまでの合計週)

この馬のデビューOKまで合計週は8週なので、35+2×8≧51となる。続いて、2月2週にSPコメントがあることからこの馬のKSP候補は81、73、65、57、49、41・・・などが考えられる(ただしこれが成立するのは64以前の作品のみ)が、既にKSP51以上が確定しているので、候補KSPは57以上ということになる。(Q.E.D.)

例の公式の証明
 おそらく最強馬生産に取り組んだことのある人にとっては上の質問は簡単なものだったでしょう。では、「例の公式がなぜ成立するか?」と質問されるとどうでしょうか。おそらくこれについてもヘビーユーザーなら説明できる人がかなり多いでしょうが、「オレは公式はそのまま暗記するタイプなんだ」という人も中にはいらっしゃるでしょうから、簡単にここで説明してみましょう。

<証明>
 まず以下の有名事実を前提とする。

(1)SPコメント有⇔SPの現在値≧35
(2)遅普通以降の成長型では
   デビューOK時点でのSPの現在値=SPの最大能力値÷2(小数切り捨て)
(3)遅普通以降の成長型の馬は2歳4月1週→2歳4月2週以降毎週「デビューOKコメント」が
   発生するまでSPの現在値が1ずつ成長する(いわゆる自然成長)。
(4)SPの最大能力値(ゲーム内の数値)=KSP+35

 (1)より2月以前にSPコメントのある馬は、4月1週時点でSPの現在値が35以上である。さらに(3)より4月1週以降デビューOKと言われる週まで1週ごとに1ずつ成長していくので、4月2週〜デビューOKまでの合計週をNとすると

  デビューOK時点でのSPの現在値≧35+N ・・・(※)

となる。

 ただし、4月1週→4月2週に成長が始めるので、デビューOKまでの合計週としては数える際には、4月2週(1成長)、4月3週(2成長)、・・・、デビューOK週(N成長)のように4月1週分をカウントしないことに注意する。例えば4月3週デビューだと、4月1週→4月2週、4月2週→4月3週とSP値が2成長する。

 続いて(2)を次のように変形してやって

  SPの最大能力値=2×デビューOK時点でのSPの現在値

この右辺に(※)を代入すると

  SPの能力最大値≧2×(35+N)=70+2N

となる。
 最後に(4)を用いると

  KSP=SPの最大能力値−35≧70+2N−35=35+2N

よって、「最低保証KSP=35+2×(4月2週〜デビューOKまでの合計週)」である。(Q.E.D.)

7月2週デビューOK=Aクラス」はなぜ?
 では、「7月2週デビューならAクラス確定」というのはどうなんでしょうか? 公式的に覚えている人は多いでしょうが、「なんで?」と聞かれて、説明できる人は実は意外と少ないのではないでしょうか。実際に私も長い間この仕組みをよく分かっていませんでした。このページの最大の目的は実はこの仕組みを説明することにあります。(ということで、分かっている人にとっては「何をいまさら・・・」という内容になるでしょうが、このページの考え方がどこか間違えていないか、突っ込むところはないかを探しながら読んでいただけると助かります^^; 間違いを発見なさったらぜひこちらまでご連絡ください。)
例の公式を当てはめてみると・・・
 この「7月2週デビュー=Aクラス」に対して次のような疑問を一度は持ったことがある人は多いのではないでしょうか。

「7月2週デビューOKということは、4月2週から数えて13週だから例の公式に当てはめると

  35+2×13=61

あれ? KSP61しか確定してないじゃん、Aクラスにはほど遠いぞ・・・」

 実際私は長い間ずっとこの疑問が解決できませんでした。つまり、「7月2週デビュー=Aクラス」
ということだけはどこかで見たことがあったのですが(確か他にも7月1週だとBクラス確定?)、「7月デビューだけ特別な処理でもされてるのかなぁ?」くらいにしか思っていなかったわけです。

 私を含めて多くの人がこのような疑問に陥ってしまうのは当然のはずで、この公式のような最終結果だけがダビ界に流通していて、その結果に至る過程があまり伝わっていないからです。

成長型別初期SPのパーセンテージ
 この公式的なものの仕組みを理解するにはえむぴーさんが推測された成長型別初期SPに関する知識が必要です。この考え方によると、遅普通だと初期SP(2歳1月1週時点でのSP)は限界SP(その馬が成長する最大のSP)に対して40〜49%の範囲内にあるわけです。
注意点1〜小数切り捨て〜
 この考え方には注意すべき点があります。まずは、小数以下は切り捨てるということです。例えばKSP83(限界SP=118)で初期SP値がその43%という遅普通の馬の場合、初期SP値を計算すると

  118×0.43=50.74

となるわけですが、小数点以下が切り捨て処理されるため初期SP値として採用されるのは50となるわけです。

 ただし、「本当にそうなってるのか?」と言われると、「そうなっていると考えれば今のところ矛盾が発生していない」としか答えようがありません。えむぴーさんもおそらくこの小数切り捨てについては、悩んだ末に出された結論だと思われますし、私自身もこのえむぴーさんの推測を参考にこれまでいろいろな馬でデータを取ってみておそらくそうだろうと思っているのですが、絶対100%そうだとは言い切れません。

注意点2〜逆は必ずしも成立せず〜
 さらにもう一つ注意すべき点があります。αを初期パーセンテージとすると

  α × SPの最大能力値 = 初期SP値(小数切り捨て)

が成立しているわけですが、この式を割り算で表した次の式を考えてみましょう。

  α = 初期SP値 ÷ SPの最大能力値

 この場合、例えばαが0.7≦α<0.8の範囲にあるのならその馬は超早熟、0.6≦α<0.7という範囲にあるのならその馬は早熟などのように扱いたくなりますが、実は必ずしもそうはいきません。この原因は小数切り捨てにあるのですが、具体例を通してこの事実を確認しましょう。

実例(超早熟KSP84の場合)
・84−3.25(超早熟、初期SP値=83)の場合

 この馬は一応うちの最強馬ということもあり、育成も何度かしましたし、この馬に関する様々なデータを集めたこともあって、もちろん初期SP値も計算しています。

 この馬のSPが完成するのに必要なSP調教本数は36本です。また、
SPの最大能力値(ゲーム内部のSP値)=KSP+35
ということから、この馬の限界SP(内部数値)は119になります。したがって、この馬の初期SP値は

  119−36=83

ということが分かります。

<問題>
 ではこの馬のSPの最大能力値に対する初期パーセンテージα(超早熟なら0.70〜0.79など)は一体いくつなのか?






一応皆さんも考えてみてください。






<解答>
 計算に慣れている人ならまず次のように計算すると思われます。

  83÷119=0.697・・・

ということはαは0.6≦α<0.7の範囲にあるから早熟?
この馬はホントは早熟ではないのか?

 いやいや、この馬は何度も育成して馬体重が成長しないことも確認済み、正真正銘の超早熟馬です。これが先ほど書いた割り算はダメというやつです。正しい計算方法は次のように地道に計算するしかありません(おそらく)。

  119×0.79=94.01→94
  119×0.78=92.82→92
     ・
     ・
     ・
  119×0.71=84.49→84
  119×0.70=83.3→83
  119×0.69=82.81→82

よって該当するパーセンテージは70%、やはり超早熟です。(もちろん最初の割り算でおよそ69.7%という数字が分かっているわけですから、実際は最初からその付近のみ計算していけばいいです。)

 上にも書きましたが、このように逆算的に解くとうまくいかないのは小数切り捨てが原因なのですが、意外な盲点ですから注意する必要があります。

パーセンテージというよりも新たな能力値として捉えるとイメージしやすい
 ちなみに、私はこの考え方に最初はなかなか馴染めませんでした。その理由はパーセンテージの方が1%ずつデジタル的に変化して、その結果として初期SP値が決定する、というところにありました。「なんでアナログ的に変化しないんだ?」というのと、初期SP値が先に決定して、SPの最大能力値に対するその割合としてパーセンテージおよび成長型が決定される、と考える方が計算する際には手っ取り早いため、ついつい逆算的には考えてしまいがちだったからです。(今でも計算するときはまず割り算で計算しておおよそのパーセンテージを割り出してから計算していますが)。

 考えにくい原因はパーセンテージという割合的イメージにあるのではないでしょうか。そこで発想を転換して、初期SPのパーセンテージが20〜79の間を変動する能力数値のようなものとして存在していると考えるとどうでしょうか。つまり、馬の能力として、SP、ST、気性、根性と同様に1ずつ変動する初期SPパーセンテージなるものが存在すると考えるわけです。例えば、KSP65、ST4耐え、初期スピードパーセンテージ45などというような感じで初期スピードパーセンテージが存在していると仮想するわけです。私はこのように捉えることで、この考え方にようやく馴染めるようになりました。(あくまで私だけかもしれませんが^^;)

初期パーセンテージが低いほどデビューが遅くなる
 さて、注意点が長くなりましたが、いよいよ本題に入ります。もう忘れてしまったかもしれませんが、
「7月2週デビューがなぜAクラス確定なのか?」ということを説明するのがこのページの主な目的です。

「なぜ7月2週だけが特別扱い?
7月2週というのに何かの意味がある?」

いやいや、実際はそんなに大した意味はありません。

 問題となるのは7月2週までに成長するSP値です。最初の方で真っ先に例の公式に当てはめたように、4月2週〜7月2週までは合計13週ですから

  デビューOK時のSP値−初期SP値=13

ということが分かります。ここで、遅普通の初期SP値のパーセンテージの下限が40%というのが効いてくるのです。

 遅普通以降の成長型においてはデビューOKと言われるのは「SPの現在値=SPの最大能力値の半分(小数切り捨て)」となった週ですから、初期SP値から自然成長によってSPの最大能力値の半分に到達するまではデビューOKと言われません。したがって、同じSPの最大能力値の馬の場合は、初期SP値が低ければ低いほど、デビューOKコメント(最大能力値の半分)に到達するのに必要な自然成長の量は多くなりますから、デビューOKコメントの時期が遅くなります。つまり、

  遅普通でデビューOKが最も遅くなるのは初期SP値のパーセンテージが40%の場合

ということになります。

実際に計算
 ということで初期パーセンテージが40%だった場合のデビューOK週をKSPごとに確認してみましょう。まずBクラスの上限KSP84の場合を考えてみます。

  初期SP値=119×0.4=47.6→47
  デビューOK時のSP値=119÷2=59.5→59
  デビューOKに必要な週=59−47=12

 したがって、4月2週から数えて12週目ということで7月1週デビューということが分かります。上述したように40%のときが最もデビューが遅い場合ですから、KSP84では7月2週デビューということは起こりえないわけです。

 では今度はAクラスを見てみましょう。まずKSP87の場合を考えてみましょう。

  初期SP値=122×0.4=48.8→48
  デビューOK時のSP値=122÷2=61
  デビューまでに必要な週=61−48=13

おっ、これは確かに7月2週デビューですね。

「Aクラス⇒7月2週デビューが存在」は成立せず
 Aクラスなら必ず7月2週デビューという場合が存在するのか? どうもそうはいかないようです。実際に同じAクラスでも先程より1本SPの落ちるKSP86の場合は、

  初期SP値=121×0.4=48.4→48
  デビューOK時のSP値=121÷2=60.5→60
  デビューまでに必要な週=60−48=12

となって、7月1週デビューが限界です。さらに先ほど7月2週デビューが確認されたKSP87よりSPが1高いはずのKSP88も意外なことに、以下の計算から分かるように7月1週デビューが限界です。

  初期SP値=123×0.4=49.2→49
  デビューOK時のSP値=123÷2=61.5→61
  デビューまでに必要な週=61−49=12

つまり、小数切り捨ての影響によってこのような逆転現象も起こるわけです。ということで、

  Aクラス⇒7月2週デビューが存在

というのは成立しませんが、↓にリンクした別ページの表を見てもらえば分かるようにBクラス以下では7月1週デビューが限界ですから

  遅普通7月2週デビュー⇒Aクラス確定

という例の公式は成立するのです。

まとめ&注意点
 ということでくどくどと書いてきましたが、最終的な結果はこの全SP成長型別表にまとめてあります。
ただし、一部で矛盾と思われる例が確認されていることには注意してください(ダビスタはそこまで単純ではないようです^^;)。この表を見ると、小数切り捨ての影響でところどころ逆転現象が起こったり、SPが低いと遅普通のはずなのに4月1週デビューという奇妙な現象が起こったりと興味深いことがあるのですが、最も注目すべきなのは以下のことでしょう(特に64組でハンティング生産をなさっている方が)。これについては、以前にえるぜん氏がご指摘なさっていたことですが、KSP81の晩成の場合のSP初期値の下限に注目してください。“34”です。つまり、SPコメントされません。晩成SPコメント無し切りは危ないかもしれません。ただし、実際はこういう馬はコメントチェックの段階では超晩成と区別できませんから、結局SPコメントされるまで調べることとなって、問題は発生していることはまずないと思われますが。

※参考
 デジタル処理ではなくアナログ処理であると仮定した場合のも作ってみましたが、やはりかなり不自然な結果になります。ということで私的にはデジタル処理の方がやっぱり無難かなと思っています。ちなみにこの表において想定しているアナログ処理の能力決定順序は以下の順です。

  限界SP決定 → 初期パーセンテージα 決定→ 初期SP = α × 限界SP

ちなみにこれとは逆の

  限界SP決定 → 初期SP決定 → 初期パーセンテージα = 初期SP ÷ 限界SP

という順の能力決定順序でのアナログ処理を仮定した場合は、ここに書いたように既に矛盾を確認済みです。

【更新履歴】
05.12.03 公開開始。
05.12.04 『パーセンテージというよりも・・・』を追加。
05.12.17 アナログ版表をリンク。それに伴い注意点2の内容をかなり修正。

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